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夏本番前に熱中症対策を!(令和3年5月から9月における熱中症による救急搬送状況の概要)

[2022年7月14日]

夏本番前に熱中症対策を!

梅雨の合間の突然気温が上昇した日や湿度の高い蒸し暑い日が発生する6月頃から熱中症による救急搬送が多くなります。さらに梅雨が明け、夏本番となる7月頃から熱中症による救急搬送が急激に増加します。

また、今年も新型コロナウイルスの影響により、マスクの着用や自宅で過ごすことが多い生活となっています。感染予防に配意し、十分な熱中症対策が必要です。

熱中症

熱中症とは、高温多湿な環境下で体温の調節機能が働かなくなり体内の水分や塩分のバランスが崩れ、頭痛、めまい、嘔気、嘔吐、けいれん、意識障害などさまざまな障害を発症するものです。

令和3年の熱中症による救急搬送人員

令和3年5月1日から9月30日までの熱中症に伴う救急搬送人員は、過去5年間で最も少ない57人であり、前年と比べ38人減少しています。

減少した要因として、令和3年8月11日から8月20日にかけて西日本には前線が停滞し続け、大雨となる日が続いていたことが挙げられます。この期間は、例年であれば増加する期間ですが、令和3年は2人の搬送となっています(前年同期36人搬送)。

過去5年間の熱中症による救急搬送人員(各年5月~9月)

過去5年間の熱中症による救急搬送人員(各年5月~9月)

月別救急搬送人員

例年、梅雨明けから急激に熱中症に伴う救急搬送人員が増加する傾向にあります。

令和3年においても、梅雨明けが発表された7月17日から急激に熱中症に伴う救急搬送人員が増加しました。令和3年7月までの救急搬送人員は34人であり、過去5年間と比較すると2番目に多いペースで増加していましたが、令和3年8月の救急搬送人員は、大雨の影響もあり、21人と過去5年間で最も少ない救急搬送人員となっています。
過去5年間における月別の熱中症による救急搬送人員(各年5月~9月)

過去5年間における月別の熱中症による救急搬送人員(各年5月~9月)

事故種別

事故種別による救急搬送人員は、急病が37人で全体の約65%と最も多く、次いで労働災害12人(約21%)、運動競技8人(約14%)となっています。
事故種別による救急搬送人員の割合(令和3年5月~9月)

事故種別による救急搬送人員の割合(令和3年5月~9月)

救急搬送人員と気温の状況

熱中症による救急搬送人員と気温の関係を見ると、30℃以上(真夏日)の日が46日あり、救急搬送人員は42人でした(前年真夏日40日、救急搬送人員32人)。また、35℃以上(猛暑日)の日は、3日あり、救急搬送人員は3人でした(前年猛暑日21日、救急搬送人員52人)。

なお、1日で最も多く救急搬送された日は、8月1日及び8月4日の4人で最高気温はそれぞれ34.7℃(8月1日)と34.9℃(8月4日)でした。

熱中症による救急搬送人員と気温(令和3年5月~9月)

熱中症による救急搬送人員と気温(令和3年5月~9月)

熱中症による救急搬送人員(令和3年5月~9月)

熱中症による救急搬送人員(令和3年5月~9月)

救急要請時の気温と救急搬送人員

救急要請時の気温を見ると、30℃台から34℃台で33人が救急搬送されています。その内30℃台から32℃台で27人、また、27℃台から29℃台で14人が救急搬送されており、気温が上がりきる前に熱中症となる傾向が多く見られます。
救急要請時の気温と救急搬送人員(令和3年5月~9月)

救急要請時の気温と救急搬送人員(令和3年5月~9月)

救急要請時の気温と湿度

下図を見ると気温が高くなくても湿度が高いと救急搬送されていることがわかります。令和3年は、気温30度未満、湿度70%以上で8人が救急搬送されました。
救急要請時の気温と湿度(令和3年5月~9月)

救急要請時の気温と湿度(令和3年5月~9月)

時間帯別及び年齢別の救急搬送人員

時間帯別の救急搬送状況を見ると、12時から14時までが15人と最も多く、次いで14時から16時までが14人でした。気温が上がり始める10時から高い気温を維持している16時までで42人と多くなっており、全体の約74%を占めています。

また、年齢別で見ると15歳未満は14時から16時まで、15歳以上65歳未満は、12時から16時まで、65歳以上75歳未満は、10時から12時まで、75歳以上は、12時から14時までに熱中症となる傾向が高いことがわかります。

時間帯別及び年齢別の救急搬送人員(令和3年5月~9月)

時間帯別及び年齢別の救急搬送人員(令和3年5月~9月)

傷病程度別及び年齢別の救急搬送人員

傷病程度別による救急搬送人員は、軽症55人、中等症2人、重症0人、死亡0人となっています。また、中等症は、75歳以上のみとなっています。
傷病程度別及び年齢別の救急搬送人員(令和3年5月~9月)

傷病程度別及び年齢別の救急搬送人員(令和3年5月~9月)

発生場所及び年齢別の救急搬送人員

令和3年の熱中症による救急発生場所は、住居が13人で全体の約23%と最も多く、次いで仕事場(工場等)12人(約21%)、道路8人(約14%)、公衆出入り場所(屋内)5人(約9%)、教育機関及び公衆出入り場所(屋外)4人(約7%)、仕事場(農地等)3人(約5%)となっています。

年齢別で見ると15歳未満は、教育機関、公衆出入り場所(屋内)及び道路でそれぞれ1人となっています。

15歳以上65歳未満は、仕事場(工場等)が8人と最も多く、次いで住居が5人、教育機関及び公衆出入り場所(屋内)が3人、公衆出入り場所(屋外)が2人、道路が1人となっています。

65歳以上75歳未満は、仕事場(工場等)が3人と最も多く、次いで住居が2人、仕事場(農地等)及び公衆出入り場所(屋外)が1人となっています。

75歳以上は、住居及び道路が6人と最も多く、次いで仕事場(農地等)が2人、仕事場(工場等)、公衆出入り場所(屋内)、公衆出入り場所(屋外)がそれぞれ1人となっています。

これらのことから15歳以上75歳未満は、仕事場(工場等)で熱中症になる傾向が高く、75歳以上では、住居及び道路で最も多く熱中症となっているため、屋内外問わず熱中症になる傾向が高いことがわかります。

発生場所及び年齢別の救急搬送人員(令和3年5月~9月)

発生場所及び年齢別の救急搬送人員(令和3年5月~9月)

令和3年の本消防本部管内における熱中症による救急搬送事例と予防対策

住居等の屋内で熱中症になった事例

〇高温多湿の自宅室内に長時間おり、呼吸苦が出現したため救急要請

 (令和3年7月 90代女性 軽症 気温29.5℃ 湿度65.0%)

〇ダンスの練習中、全身倦怠感が出現したため救急要請

 (令和3年7月 20代女性 軽症 気温30.8℃ 湿度53.8%)

〇バスケの試合中、気分不良を訴え動けなくなったため救急要請

 (令和3年7月 10代男性 軽症 気温29.1℃ 湿度60.8%)

〇自宅にてめまい、嘔気、倦怠感が出現したため救急要請

 (令和3年7月 40代女性 軽症 気温27.8℃ 湿度70.8%)

〇就寝中、力が入らず、足がつり、発汗著明となったため救急要請

 (令和3年8月 60代男性 軽症 気温26.7℃ 湿度78.8%)

〇発汗著明、顔面蒼白、気分不良を訴え意識レベルが低下したため救急要請

 (令和3年8月 80代男性 中等症 気温31.4℃ 湿度54.9%)

〇屋内で作業中に嘔気及び手足のしびれが出現したため救急要請

 (令和3年8月 20代男性 軽症 気温32.5℃ 湿度50.8%)

道路上で熱中症になった事例

〇歩行中、しんどくなり動けなくなったため救急要請

 (令和3年7月 70代男性 軽症 気温34.0℃ 湿度38.6%)

〇散歩中、顔面蒼白となり脱力が見られたため救急要請

 (令和3年8月 10歳未満女児 軽症 気温31.2℃ 湿度50.2%)

〇自転車を運転中、気分不良により救急要請

 (令和3年8月 80代男性 軽症 気温34.7℃ 湿度52.5%)

屋外の作業により熱中症になった事例

〇洗車作業中、気分不良により救急要請

 (令和3年7月 60代男性 軽症 気温31.1℃ 湿度55.0%)

〇荷下ろし作業中、めまい、気分不良により救急要請

 (令和3年8月 50代男性 軽症 気温32.9℃ 湿度50.8%)

屋外で運動中に熱中症になった事例

〇グラウンドゴルフ中に卒倒したため救急要請

 (令和3年7月 70代男性 軽症 気温26.7℃ 湿度70.2%)

〇陸上競技のウォーミングアップ中に気分不良となり救急要請

 (令和3年8月 10代男性 軽症 気温29.6℃ 湿度64.9%)

屋内における予防対策

〇屋内では、窓を開けて風通しを良くしたり、エアコン、扇風機等を積極的に使用し、高温多湿な環境を作らないようにしましょう。

〇こまめに水分、塩分を補給しましょう。特に子ども、高齢者、障がい者には、周囲の方による事前のサポートが必要であり、喉の渇きを感じる前にこまめに水分、塩分補給を促すことが重要です。

〇新型コロナウイルス感染症を予防するためには、冷房時でも換気扇や窓開放によって換気を確保する必要があります。この際、室内温度が高くなるので、熱中症予防のためエアコンの温度設定をこまめに調整しましょう。

屋外における予防対策

〇のどが渇いていなくても、こまめに水分、塩分補給をしましょう。

〇屋外では日傘、帽子等を使用し、できるだけ直射日光を避けましょう。

〇風通しの良い服装等を心がけ、体に熱を溜めこまない工夫をしましょう。

〇指導者等は、のどの渇きを感じる前にこまめに水分、塩分補給を促すことが重要です。積極的、計画的に休憩を取らせるようにして、体調の変化を見逃さないようにしましょう。

〇人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクを外すようにしましょう。

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