(趣旨)

第1条　この規程は、別に定めるもののほか、甲賀広域行政組合消防本部(以下「消防本部」という。)の警防活動について必要な事項を定めるものとする。

(用語)

第2条　この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(警防責任)

第3条　消防長は、警防活動の最高方針を決定し、当該警防活動を指揮統括するものとする。

(通信指令課の業務)

第4条　通信指令課は、出動指令、活動の統制、情報の連絡その他の業務を行うものとする。

(編成基準)

第5条　消防隊、救急隊、救助隊、指揮支援隊及びその他の隊(以下「消防隊等」という。)は、次の各号に掲げる基準により編成するものとし、消防組織法(昭和22年法律第226号)第1条の規定に基づき、消防活動を実施する。

第6条　消防隊等の配置は、別表第1のとおりとする。

(消防隊等の勤務)

第7条　消防隊等の警防活動上必要な業務は、次に定めるとおりとする。

(署内勤務における業務処理)

第8条　前条第1号に定める署内勤務の業務は、次の事項とする。

(署外勤務における業務処理)

第9条　第7条第2号に定める署外勤務の業務は、次に定める事項とする。

(待機)

第10条　消防隊等の隊員(あらかじめ指名された者を除く。)は、出動指令を受けたときは、直ちに出動できるよう態勢を整えておかなければならない。

(出動の原則)

第11条　消防隊等の出動は、出動計画に基づく出動指令によりこれを行うことを原則とする。ただし、署々が直接災害を覚知したとき、又は緊急特別の措置を要するときは、この限りでない。

(出動種別)

第12条　出動の種別は、次の表のとおりとする。

(初動体制)

第13条　初動体制は、次のとおりとする。

(火災出動区分)

第14条　火災出動の区分は、次の表のとおりとする。

(出動計画)

第15条　出動区域及び火災等の態様に応じて出動する各署々の出動計画は、別表第2のとおりとする。ただし、応援出動については、別に計画する。

(消防隊等の出動)

第16条　消防隊等は、前条に定めるところにより出動するほか、災害の状況に応じてその都度指令する分隊が出動するものとする。

(応援出動)

第17条　消防に関し相互応援協定が締結されているものについては、当該協定に基づき出動するものとする。

(指揮の基準)

第18条　火災現場(以下この章において「現場」という。)における最高指揮者は、次の基準によるものとする。

(指揮者の担当範囲)

第19条　最高指揮者は、現場における火災の状況に応じて下位階級者の担当範囲を定めるものとする。

(指揮命令の取扱)

第20条　現場における活動は、最高指揮者の指揮命令により実施するものとする。

(現場指揮本部の設置)

第21条　最高指揮者は、現場活動で必要が生じたときは、現場指揮本部を設置するものとする。

(警防活動上の心得)

第22条　最高指揮者は、警防活動を行うに当たっては、次に定める事項について十分留意し、敏速果敢なうちにも安全を期するよう心がけなければならない。

(火災警戒区域の設定)

第23条　最高指揮者は、ガス、火薬、危険物及び危険性物質の漏れ飛散等の事故現場の状況により必要と認めたときは、火災警戒区域を設定し、その区域内における火気の使用禁止、一般住民に対するその区域外への退去命令、出入りの禁止等の必要な措置を講じなければならない。

(活動妨害に対する措置)

第24条　災害現場における消防吏員は、活動の妨害となるおそれのある一般の住民に対し、当該現場から退去させる等の措置をとらなければならない。

(活動に対する住民の協力)

第25条　災害現場における消防吏員は、延焼拡大による危険が著しいとき又は人命救助の必要性が急迫したときは、当該住民の協力を求めることができる。

(資器材の調達等)

第26条　最高指揮者は、火災が長時間にわたるとき又は火災の状況により資器材、食糧の調達、補給について必要な措置を講じなければならない。

(消防隊の活動)

第27条　消防隊は、現場において特に次の事項に留意して活動しなければならない。

(消防隊配置の原則)

第28条　消防隊は、先着消防隊から順次火点包囲の体形を構成するとともに、重要方面及び延焼危険度の高い方面に進入し、活動するものとする。

(先着消防隊)

第29条　先着消防隊は、消防対象物の関係者に対し建物構造及び人命救助の必要の有無を確認するなど適切な措置をとるとともに、火災の鎮圧に当たるものとする。

(後着消防隊)

第30条　後着消防隊は、最高指揮者の命令を受けて、火災防ぎょ活動に当たるものとする。

(状況判断)

第31条　最高指揮者は、現場到着と同時に速やかに火点の周囲を一巡するとともに、分隊長等からの報告その他各種情報に基づき、火災全体の状況を把握し、適確な判断のもとに部隊を運用しなければならない。

(水利部署)

第32条　第1出動の消防隊は、水利種別に関係なく、火点直近の水利に部署しなければならない。

(注水部署及び注水要領)

第33条　最高指揮者は、火勢鎮圧又は延焼阻止に効果的かつ安全な場所を選定して部署させるものとし、注水要領は次に定めるところによる。

(部署移動)

第34条　火勢の推移に伴い、注水部署が危険となり又は効果的でない部署となったときは、速やかに安全で、かつ、防ぎょ効果のある場所へ移動しなければならない。

(防ぎょ線の設定)

第35条　最高指揮者は、火勢の延焼が拡大し、防ぎょ線の必要があると認めたときは、道路、公園、宅地その他の地形及び耐火建築物を利用して防ぎょ線を設定し、延焼防止に努めるものとする。

(火災防ぎょの心得)

第36条　消防隊員は、火災防ぎょに当たっては、次に定める事項に留意しなければならない。

(飛火警戒)

第37条　最高指揮者は、飛火警戒の必要が生じたときは、各隊のうちから飛火警戒隊を指定して危険方面へ配置しなければならない。

(鎮圧、鎮火)

第38条　火災の鎮圧及び鎮火の決定は、最高指揮者がこれをするものとする。

(残火処理)

第39条　最高指揮者は、残火処理を行うときは別表第4の残火処理基準に基づいて、必要な措置をとるものとする。

(現場引揚げ)

第40条　消防隊等の引揚げは、最高指揮者の指示によるものとする。

(救急、救助活動)

第41条　救急、救助活動は、他の活動に優先して行い、消防各隊と連携を密にし、臨機応変かつ安全な方法で活動を行うものとする。

(救急、救助活動の心得)

第42条　救急、救助活動は、次に定める事項に留意して実施しなければならない。

(人命検索)

第43条　人命検索は、災害現場の関係者、目撃者等から要救助者の状況を聴取し、検索区域及び検索方法を決定し、検索区域を漏れなく検索するものとする。

(準用)

第44条　救急出動、救助出動及びその他の災害出動については、第18条から第43条までの規定を準用する。

(活動報告)

第45条　災害現場活動(救急救助活動を除く。)を行った隊員等は、火災現場活動状況報告書(様式第2号)、災害等(　)現場活動状況報告書(様式第3号)、により署長に報告し、署長は7日以内に消防長に報告しなければならない。

(災害記録)

第46条　警防課長は、大規模災害又は特異な災害については、その状況、警防活動、損害状況その他必要事項をまとめ災害概況を記録するものとする。

(警防計画)

第47条　警防計画は、適切な警防活動ができるよう災害及び災害の防止に関する研究の成果並びに発生した災害の状況及びこれに対して行われた対策の効果を勘案して、合理的な事前計画を作成するものとする。

(警防計画の区分)

第48条　警防計画は、担当区域内の消防対象物、気象、地形等の要件、催物等と保有消防力を勘案して、次の区分により計画するものとする。

(警防計画の作成及び運用)

第49条　署長は、前条各号に定める警防計画を作成して、適正な運用を図らなければならない。

(開発行為の水利)

第50条　署長は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条及び第32条に基づく消防水利についての意見を求められたときは、別に定めるところにより消防長に協議して処理しなければならない。

第51条　署長は、別に定めるところにより担当区域について、水利の実態を調査し、その台帳を整理するとともに必要な消防水利を確保し、指定するよう努めなければならない。

(非常災害警備計画の種別)

第52条　非常災害警備計画(以下「警備計画」という。)は、次のとおりとする。

(警備計画の作成)

第53条　消防長は、非常災害に対する防ぎょ及び救助活動の円滑適正を図るため、前条の警備計画を作成しなければならない。

(消防長の処置)

第54条　非常災害警防活動は、消防長が統括するものとする。

(非常災害応援要請)

第55条　消防長は、非常災害が発生し管内消防力をもってしても対処できないと認めたときは、消防相互応援協定、支援協定その他の協定に基づき、応援要請をすることができる。

(危険区域の出動)

第56条　署長は、非常災害が発生したとき又は特に必要が生じたときは、消防隊の一部を危険区域に出動させ、警戒に当たらせるものとする。

(災害対策本部との連絡協調)

第57条　署長は、担当区域内に、市防災会議及び必要に応じて設置される地域災害対策本部との連絡協調に遺憾のないよう努めなければならない。

(警備本部の設置)

第58条　消防長は、非常災害警備業務の実施に当たり、必要が生じたときは、警備本部を消防本部に設置する。ただし、必要に応じてその場所を変更することができる。

(非常招集)

第59条　消防長は、非常災害の状況により、消防吏員の出動を要すると認めたときは、非常招集(以下「招集」という。)により消防力の増強を図るものとする。

(招集の種別)

第60条　招集は、次のとおりとする。

(発令)

第61条　消防長は、大火災等の大規模災害が発生し、又はその発生が予想され、緊急に消防力を増強する必要があるときは、消防吏員の招集を発令するものとする。

(招集の伝達)

第62条　招集を発令するときは、招集の目的、場所、招集種別その他必要な事項を消防吏員に伝達するものとする。

(出動)

第63条　招集を受けた消防吏員は、速やかに指定された場所へ出動しなければならない。

(覚知義務及び自発的出動)

第64条　消防吏員は、招集を受けなくとも、非常事態の発生を知り、又は発生が予想されるときには、常に非常事態に応じられる態勢をととのえ、ラジオ、テレビ、天気予報、電話等により気象情報及び災害発生の状況を積極的に把握し、必要に応じ当該勤務場所等に連絡し、招集の有無その他必要事項を確かめるとともに、発令前であっても発令の可能が十分あることを予知したときは、自発的に出動するものとする。

(招集時の心構え)

第65条　消防吏員は、招集に際しては、速やかに出動できるよう平素から次に定める事項を遵守しなければならない。

(適用除外消防吏員)

第66条　招集は、次の消防吏員には適用しない。

(招集計画)

第67条　消防長又は署長は、招集に関する必要な計画を作成し、その内容に変更が生じたときは、その都度修正をしておかなければならない。

(招集訓練)

第68条　消防長又は署長は、必要に応じ招集訓練を実施するものとする。

(訓練種別)

第69条　警防活動等に関する訓練は、基本訓練、図上訓練、実地応用訓練及び特別訓練に区分して行うものとする。

(基本訓練)

第70条　基本訓練は、おおむね次に定める事項について実施するものとする。

(図上訓練)

第71条　図上訓練は、各種災害の防ぎょ及び救急救助活動の方法を図上で訓練するものとする。

(実地応用訓練)

第72条　実地応用訓練は、次に定める区分により実施するものとする。

(特別訓練)

第73条　消防長又は署長は、次に掲げるところにより特別訓練を実施するものとする。

(火災警報等の発令及び解除時の措置)

第74条　通信指令課長は、火災警報、火災多発特別警報又は火災注意報(甲賀広域行政組合火災予防規則(平成19年甲賀広域行政組合規則第14号)第22条に定めるものをいう。以下同じ。)が発令され、又は解除されたときは、次の関係機関へその旨を連絡しなければならない。

(火災警報発令時の実施事項)

第75条　署長は、火災警報が発令されたときは、次に定める事項を実施するものとする。

(火災多発特別警報又は火災注意報発令時の実施事項)

第76条　前条第2号から第4号(煙火の消費制限に関する指導取締りを除く。)及び第5号から第7号までの規定は、火災多発特別警報又は火災注意報発令時の実施事項について準用する。

(警防体制の強化)

第77条　消防長又は署長は、火災警報が発令され、消防力を強化する必要が生じたときは、消防吏員の招集を行い、所要の警防体制を整えるものとする。

(速報事項)

第78条　署長は、次の各号のいずれかに該当する事故があったときは、消防長に速報しなければならない。

(災害活動検討会)

第79条　消防長又は署長は、災害現場活動を行ったときは、必要に応じて、当災害発生後10日以内に災害活動検討会を開き、現場活動の適否その他について討議を行い、事後の資料としなければならない。

(その他)

第80条　この規程に定めるもののほか、特に必要があるときはその都度消防長が指示するものとする。